リアルタイム位置管理システム(RTLS)は、工場や倉庫内のフォークリフト、パレットなどの移動資産がいまどこにあるかを示します。Meta Smart FactoryのRTLSは、見通しが確保できれば10〜30cmの精度を持つUWB追跡、BLEゾーン、RFIDゲート、QRラベルを組み合わせます。スマートゲートスキャナーはドアを通る全移動を記録し、対応するERP在庫移動を自動で計上します。
バーコードは「何がスキャンされたか」を教えてくれますが、RTLSは誰もスキャンしていないものも含め、「今すべてがどこにあるか」を教えてくれます。両者を組み合わせることで、あらゆる抜け漏れをなくします。
追跡対象エリアに設置するアンカービーコンと、フォークリフト・パレットに取り付けるタグが必要です。サイト調査、設置、キャリブレーションまでMSFが対応します。
ペアになったスキャナーのロジックとタグデータから移動元と移動先を判定し、正しい種類のERP移動が自動的に計上されます。
追跡したい各地点に対して、アンカー4台から見通しが取れる台数が必要です。計算上の最小は3台ですが余裕がなく、1本でも見通しが遮られれば測位が落ち、マストで持ち上げた荷物を高さ方向まで含めて追うには4台目が要ります。つまり必要台数は床面積よりも、ラックの配置、天井高、ベイの割り方で決まるため、サイト調査を経て初めて確定します。アンカーには電源とLANの引き込みも必要なので、機器代に加えて配線工事も見込んでください。
仕様どおりのセンチメートル精度、つまり10〜30cmが出るのは、アンカーとの見通しが確保できている場合です。スチールラック、メッシュのカゴ台車、金属壁は電波を反射・遮蔽するため、そうした場所では精度が落ち、位置は通路単位・ゾーン単位でしか分からなくなります。空の建屋で行ったサイト調査ではこれが表に出ません。ラックに在庫を積んだ実運用の状態で調査し、UWBの見通しが取れない範囲にはBLEかゲートスキャンを当てる設計にしてください。
実態としてはそうなります。タグは車両に付き、その車両はシフト中は1人が乗り、ゲートスキャンはオペレーターとタイムスタンプを記録するからです。だからこそ、データの利用範囲は導入前に決めてください。個人単位の軌跡を誰が閲覧できるのか、軌跡をどれだけの期間保持するのか、日常のレポートは個人単位ではなくゾーン単位にするのか、という点です。労使協議の枠組みがある事業所では、その範囲を書面で合意しておくことをお勧めします。
交換するのは自社の保全担当で、周期は発信レートで決まります。毎秒数回ビーコンを打つフォークリフト用タグと、動いたときだけ起きるパレット用タグでは寿命がまるで違います。フォークリフト用タグは車両電源から給電できますが、そのためには車両ごとにDCコンバーターと取付が必要になるので、車両の定期点検に合わせて施工するのが現実的です。タグは電池残量を送信し、切れれば無音になるので切れたタグ自体は可視化されますが、そのレポートを見て実際にラックの中からタグを探し出す人が必要です。数百枚規模になれば、これは常設の業務になります。
他の誤転記と同じで、ERP側で取消・逆仕訳を立てて訂正します。ですから、誰にその操作権限を与えるかを本稼働前に決めておいてください。より頻繁に起きるのは「そもそも読むべきでなかったスキャン」のほうです。フォークリフトが方向転換のために出入口を横切った、他の荷物と一緒に別のパレットが通過してしまった、といったケースです。これらは要確認の移動としてフラグが立ち、誰かがレビューする運びになりますが、担当者を決めて毎日そのリストを消し込まなければ機能しません。
RTLSが教えてくれるのはタグの位置であって、そのパレットに何が載っているか、その品物の品質がどうかではありません。パレットを積み替える、手作業で在庫を動かす、空の台車にタグを付けたまま放置する、といったことをすれば、システムは古い紐付けのまま自信を持って報告し続けます。数量、ロット、品質は従来どおりスキャンと実績計上から来ます。RTLSが上乗せするのは位置と時刻であって、在庫記録そのものを置き換えるものではありません。
いいえ、必要です。RTLSは「今どこにあるか」「どのゲートを通過したか」に答えるもので、WMSは「どこへ置くべきか」を決め、先入先出やロットのルールで引き当て、在庫記録を保持します。RTLS単体でできるのは、管理されていない倉庫の正確なライブマップを持つところまでです。投資に見合うのは、ロケーションと在庫ロジックはWMSが持ち、その移動実績をRTLSが自動で供給する組み合わせです。
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